客室に欠かせない物と言えば金庫ですが、日本ではどのホテルにもかならずお部屋に一台は準備されていますよね。皆さんは金庫を選ぶ時、どのような基準で選んでいますか?大きさや性能、見た目や値段などいろいろとポイントはあると思います。今回は、金庫の選び方を徹底解剖していきたいと思います。
金庫選びのポイント
金庫なんてどれも同じと思ってしまいがちですが、実は選ぶポイントによって様々な種類の金庫があります。金庫はどうやって選べばよいのか、金庫選びのポイントを見て行きましょう。
・大きさを決める
まず一番大切なのが、どのぐらいの大きさの金庫にするかを決めることです。せっかく大きな金庫を購入しても、設置する場所に収まらなければ意味がありません。設置するスペースの実際の大きさを測定してみることをおすすめします。この時は高さ・幅・奥行きを測定します。また、金庫の扉を開閉するスペースがあるかどうかも確認しましょう。大型サイズの場合は、部屋に運び入れるまでの通路の幅なども測定しておいた方が良いでしょう。
金庫のサイズは実際に商品を見てみないとイメージできない部分もあるかと思うので、店頭で実際に大きさを確認してみるのも購入後の失敗を防ぐためにおすすめです。
・金庫に何を入れるか
次に、金庫にどんな物をしまうのかを考えます。金庫と言えば、現金や株券、宝石を保管しておくというイメージがありますが、最近では磁気カードやUSBメモリなどの電子データを保存することもあるかと思います。現金などの紙類を保管する場合は、耐火性能にすぐれた金庫や防盗性能の高い金庫を選ぶことになるでしょう。USBなどを保管する場合は、データメディア用の耐火金庫や耐湿性能にすぐれた金庫がおすすめです。耐火性能と防盗性能については後ほど詳しくご紹介します。
・重さ
金庫の重さも重要なポイントです。金庫が重ければ重い程、金庫ごと持ち去ることが困難になるため防盗性能は高くなりますが、設置する場所がどのくらいの重さまで耐えられるかを検討しなければいけません。長い期間重いものを置いておくと、建物がゆがんだり床が沈んだりということが起こる可能性もあります。
・耐火性能
耐火金庫とは、庫内の温度を維持する性能を持っている金庫のことです。金庫の耐火性能は、JIS(日本工業規格)の耐火試験によって、ランク分けされています。金庫を一定時間加熱して庫内の温度を測定するという試験を行い、耐火性能を0.5時間・1時間・2時間・3時間・4時間の5つのランクに分類しています。4時間のランクの耐火金庫は、4時間以内であれば金庫の中のものが燃えることなく守られます。
一般的な金庫は耐火性能を重視して作られているため、防盗性能はありません。
・防盗性能
防盗性能は日セフ連によって規格化されており、どれだけの時間で金庫を壊すことができるかの試験を行ってその性能を図っています。。試験は、ドリルやハンマーなどの工具やバーナーによる溶断で鍵や扉に攻撃をするというものです。こうした攻撃にどれだけの時間耐えたかによって、ランクが決まります。防盗金庫は、耐火性能を兼ね備えているものが多いです。
・キーのタイプ
キーのタイプも、従来のダイヤル式だけでなく様々な方式のものが出てきています。特に最近主流となっているのが「テンキー式」です。暗証番号をテンキーで入力するタイプのもので、利用者が変わってもその都度暗証番号を変えれば良いので、ホテルの客室でも人気があるのがこのタイプです。ただし、テンキーは電池で動いているので電池が切れれば動かなくなってしまいますし、電子機器なので故障して鍵が開かないもしくは閉められないということが無い訳ではありません。テンキー式の金庫を使用する場合は、耐用年数に気を使う必要があるでしょう。
お客様に喜ばれる金庫とは?
ここまで金庫選びのポイントを見てきましたが、宿泊施設のお部屋に置く金庫であればまずはお客様に喜ばれる金庫を選びたいですよね。お客様に喜んでもらえる金庫とはどんな金庫でしょうか?
・操作しやすい
普段から金庫を使い慣れている方ばかりではないので、操作しやすい金庫が良いでしょう。暗証番号の設定や開閉の仕方などは、年配のお客様は特に操作方法が分からないことが多いと思います。なるべくシンプルな操作ですむ金庫にすることや、分かりやすい操作説明書を付けたりといった工夫が必要かもしれませんね。
・防盗性能に優れている
宿泊施設の場合、耐火性能よりも防盗性能を重視した金庫の方が良いでしょう。貴重品を安心して預けられる金庫があれば、荷物を減らして身軽で観光を楽しむことができそうです。
まとめ
金庫の選び方と客室におすすめの金庫を見てきましたが、金庫の設置場所や利用目的によって、選ぶ性能も変わってくるということが分かりました。お客様が貴重品を安心して保管しておけるように、客室に置く金庫選びには特にこだわってみては如何でしょうか。